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Statement_声明文

私たち「フォーラム・子どもたちの未来のために」は、菅政権による日本学術会議の新会員任命拒否に抗議します!

今般、菅政権は第25期日本学術会議新会員任命に際し、会議が推薦した105名のうち6名の任命を拒否しました。

日本学術会議は日本学術会議法に基づき、政府から独立して政策提言をする組織であり、その会員は同法第7条2項、及び第17条によって「(学術会議の推薦に基づいて)内閣総理大臣が任命する」と明確に定められています。この条文は「学術会議の推薦のまま任命する」と解釈するのが通説とされ、事実、政府も1983年の国会答弁で当時の中曽根康弘首相が「政府が行うのは形式的任命にすぎない。学問の自由独立はあくまで保証される」と答弁しています。

しかるに、今回、菅政権は「解釈変更はしていない」といいながら任命を拒否し、具体的な理由は一切説明していません。

日本学術会議法第17条には「優れた研究又は業績がある科学者」を推薦するとあり、少なくとも拒否する以上はその「研究と業績」に鑑みた判断が必要なはずです。しかし、首相は「総合的、俯瞰的」という抽象的な言葉を繰り返すばかりであり、しかも10月9日の時点では105名のリストは見ていなかった、というこれまでの説明とはつじつまの合わないことまで言い出しています。

なんら具体的な理由を明示しないまま、「総合的、俯瞰的」という抽象的な判断をもって任命拒否を強行することは、とりもなおさずきわめて高い独立性を持つべき組織を、時の政権が恣意的な判断でコントロールできてしまうことを意味します。

政府・与党は、学術会議には税金が投入されているとか、既得権益だとかいうような議論を展開し、今回の判断を正当化しようとしていますが、税金は国民全体のものであり、時の政権の「私物」ではありませんし、組織のもつ問題点と委員任命の手続きが正当か否かはまったく別の問題であることもいうまでもありません。いずれも悪質な議論のすり替えというべきものです。仮に日本学術会議に問題点があろうとも、その会員の任命手続きが不法、不当なものであっていいはずがないのはいうまでもないことです。

 

私たち「フォーラム・子どもたちの未来のために」は特定秘密保護法への反対運動をきっかけにうまれた子どもの本の創作、編集、研究等に携わる者たちの運動体です。何よりも表現、言論の自由を大切なものと考え、次の世代の子どもたちに自由闊達に議論のできる、平和で民主的な社会を残していくために勉強会等の活動を続けてきました。

今回の問題は決して学者の世界だけにとどまる問題ではなく、学問の自由、ひいては表現の自由、言論の自由への重大な脅威と考えます。

私たちは今回の決定に強く抗議するとともに、政府がすみやかに決定を取り消し、その経緯をつまびらかにすることを求めます。                  

 2020年10月15日

「フォーラム・子どもたちの未来のために」実行委員会

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