私たちは「安保法制」を認めません
私たちは「立憲主義」と「民主主義」を取り戻すまで
活動を続けます
「フォーラム・子どもたちの未来のために」は、有志による「特定秘密保護法案の廃案を求める共同声明」(2013・11)を契機として2014年6月に結成された、児童書の作家、画家、翻訳者、研究者、出版関係者、などによる組織です。子どもの本に関わる七つの団体から構成され、これまでいくつか学習会などの活動を重ね、意見表明を行ってきました。
私たちはなによりも「言論・表現の自由」を大切に考え、子どもたちに平和で民主的な社会、自由闊達に意見をいいあえる社会を残したいと願っています。しかし、残念ながら、特定秘密保護法の成立以降、ことは一法案の問題を超え、私たちを取り巻く状況は悪化の一途をたどっています。教育現場への権力の過剰な介入、歴史を直視せず、「効率」のみに重きをおくような「知」の軽視等々、例をあげれば枚挙にいとまありません。
去る9月19日に成立が強行された「安保法制」に至っては、圧倒的多数の憲法学者、歴代内閣法制局長官、弁護士等専門家の声を無視した「違憲立法」であり、私たちがこの社会の基本的な価値観と考える「立憲主義」「民主主義」を根底から覆すものです。私たちはこうした非民主的な暴挙を断じて許すことはできません。
子どもたちは将来自分たちが暮らすことになる社会を創造する作業に、いま、直接参加することは困難です。それだけに、私たちには次の世代に自由で民主的かつ平和な社会を残していく責務があります。
子どもたちには自由な社会が必要です。知る権利と自由に表現できる 権利が保障されていなくてはなりません。
子どもたちには民主的な社会が必要です。お互いの個を尊重しあい、のびのびと自分の考えや意見を表明できる開かれた社会です。
子どもたちには平和な社会が必要です。いわれなき貧困や差別から解放され、豊かな幸福を実現できる社会。それは、断じて「殺し」「殺される」戦争のある社会でありません。私たちは異常な状況の中、不当な手続きで「可決」された憲法違反の法律を認めません。私たちは今回の強行採決に強く抗議するとともに、これからも「立憲主義」と「民主主義」を取り戻すため、フォーラムの原点に立ち返って「子どもたちの未来」を脅かすものとむきあい、それらをひとつひとつ取り除くための粘り強い活動を続けていくことをあらためて表明いたします。
2015年11月20日 ☆フォーラム・子どもたちの未来のために☆