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五十嵐千恵子

「特定秘密保護法」第2回学習会


第2回学習会が7月6日の午後6時から専修大学で行われました。講師はジャーナリストの青木理氏で、講演タイトルは「特定秘密保護法がめざす“未来”像」。児童文学者や児童書出版関係者と専修大学の学生も合わせ110人ほどが集まりました。

 さて、秘密保護法を作ったのは誰で、いちばん「得」するのは誰なのでしょう。安倍政権なのでしょうか。官僚でしょうか。

「秘密保護法を作ったのは安倍政権。でも、民主党政権下『尖閣沖中国漁船衝突ビデオ流出事件』をきっかけに特定秘密保護法の大枠ができていた」と青木氏。その法律作成を主導したのは「内閣情報調査室」いわゆる“内調”と呼ばれる組織。総務、国内、国際、経済の4部門があり、内閣の情報機関という位置づけです。この内調のトップは「内閣情報官」で、このポジションには、歴代警察官僚出身者が就任していて、なかでも、「警備公安部門」の要職を歩んできた警察官僚の指定席になっているそう。

 秘密保護法で秘密に指定される情報は、外交・防衛・特定有害活動の防止に関する情報・テロ防止に関する情報の4分野とされています。そのうちの外交分野は外務省、防衛分野は防衛省、スパイ防止、テロ防止の2分野を警察組織が担います。

「『テロ防止』などという名目であれば、警察に関する情報のすべてが秘密に指定されてもおかしくない。原発の警備情報も、テロ対策の名目で警察情報のほとんど全てを秘密にできる。たとえば、自動車ナンバー読み取り装置=Nシステムは完全に特定秘密にされるでしょう。警察権力が肥大化し、治安維持も強化されます」

「情報を流せば罰せられると情報源が委縮、メディアも委縮。すると、世の中に流れる情報が減ります。物事を判断する材料も減ります。そして自主規制の波。この法律は明らかに人々を委縮させるもので、民主主義の根幹をゆるがすものなのです」

「安保法制と戦争立法がセットになったとき、さらに怖いことが起こります。例えば、アメリカの戦争に参加して戦死者が出たとき、新聞はどんな見出しをつけるのか。『もっと強い国にしよう』とは言っても、だれも『安保法案がいけない』とは言いませんよ。メディアも民も異論が言いにくい状況になる」

「ほかにも、みなさんが反原発、反消費税、などを唱えると、何でもテロリズムにつなげかねません。私が公安の内情を本に書いたり、こういった学習会を開いたりするのも、“テロ活動”とされて、処罰の対象になりかねないのです」

 この法律は今の世の新たな治安維持法になりうるもので、とても恐ろしく、危険なものであるということがよくわかりました。私たちの民主的な社会を守るため、子どものたちの健全な未来のためにも、引き続き廃案を求めていきましょう。

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